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5体の白い仏像。現代アートか、パワースポットか。ワット・プラタート・パーソーンケーオ【タイ】

ワット・プラタート・パーソーンケーオの5体の白い仏像。大小が前後に連なる配置。

雑誌『TRANSIT』のタイ特集の表紙に、インパクトが強い仏像が写っていた。

行ってみたいなと思ったが、アクセスがかなり悪い。ペッチャブーン県カオコーにあるお寺で、バンコクから国内線で1時間、そこからさらにレンタカーで2時間。タイに住んでいるうちに行っておかねば、ということで航空券をとった。

このあたりは自然に囲まれた避暑地で、「タイのスイス」と呼ばれている。ただ、山でゆっくりする気分ではなかったので日帰りでいくことにした。

雑誌TRANSITの表紙

ピッサヌローク空港からレンタカーでお寺へ向かう。道中、山が増えてくる。タイ(バンコク付近)は平地が多いので、山そのものを見るのは実は珍しい。スイスに行ったことはないが、言われてみればたしかにスイスっぽい。

到着すると、少し離れたところからでも白い仏像が見える。天気は曇りだが、それがかえってもやの中に浮き上がるように見せている。

曇り空の中、もやに浮かび上がるように見える白い仏像。カオコーの山中にて。

周囲には、鐘の音やシャラシャラした鈴の音が響き、荘厳な音楽というか音、日本の正月みたいな音が流れていて雰囲気がある。

近づいて見ると、さらにインパクトが強い。緑の山々の中に、真っ白な人工物。その異物感と存在感に圧倒される。

タイにはいろんな仏像があるが、こんな配置は見たことがない。なんだかEXILEのチューチュートレインみたいだ。

ワット・プラタート・パーソーンケーオのアート作品のような5体の白い仏像

この5体は、現在の世界に現れる5人の仏陀を象徴している。過去から現在、そして未来へと続く仏教の教えが、途切れることなく地続きであることを示すのだという。

寺の名前、ワット・プラタート・パーソーンケーオは「宝玉が隠れた崖にある寺」を意味する。

昔、村人たちは緑色に光る球体が崖の洞窟に飛んでいくのを何度も目撃し、この地が聖なる場所だと仏塔が建てられた。

ワット・プラタート・パーソーンケーオから見える緑の山々
惑星のような球体
ワット・プラタート・パーソーンケーオの仏像からみた景色

2004年から瞑想センターとして始まり、5体の白い仏像が完成したのは2014年でかなり新しい。創設者である元アーティストの僧侶は「芸術は宗教を伝えるための手段である」という信念を持っていたという。

訪れているのはほぼタイ現地の人で、外国人観光客は少ない。避暑地の自然とセットで、この寺が観光の目玉になっている。

みんな、とにかく写真を撮っていた。仏像の前で、ポーズを決め、角度を変え、何枚も撮る。

仏像の内部にも入ることができる。中には、キラキラの仏像や、ピンクの涅槃像がある。信仰の対象というより、現代アート作品のようだ。

仏像内部のキラキラの仏像

外では写真を撮りまくっている人たちも、中ではしっかりと祈る。ここでは楽しんで鑑賞することも、祈りの一部なのかもしれない。

5体の仏像から少し歩くと、仏塔がある。外壁は無数の陶器の破片で覆われたモザイク装飾だ。これは、多様な人々が徳を積むことで平穏をつくり上げる、という哲学が込められている。中は、惑星のようなオブジェが並んでいてとても宇宙的な空間になっている。

ただ、こちらはほとんどの人が流し見していて、仏塔は完全に脇役だ。

無数の陶器の破片で覆われたモザイク装飾の仏塔。多様な人々の徳を象徴。
無数の陶器の破片で覆われたモザイク装飾の仏塔のモザイク
ワット・プラタート・パーソーンケーオ仏塔内の現代アート作品のような空間
現代アート作品のような空間

それでも、お寺全体を振り返ると、アートとして鑑賞されながら、信仰の場としても機能している。その両方が、この場所では自然に成立していた。

帰り際に、近くのカフェに寄った。観光客に人気の店で、山の景色を眺めながらコーヒーを飲む人たちで賑わっている。ただ、雲が多くて景色はほとんど見えない。それでもみんな、写真を撮っていた。

「タイのスイス」とは言うものの、結局見たのは、とてもタイらしい場所だった。芸術的な演出の中でも、変わらないタイの信仰の形があった。

日帰りだと少し慌ただしい。ただ、それでも来てよかった。曇りは曇りで雰囲気があったが、次は晴れた日にこの地を満喫してみたい。そのとき、あの白い仏像はどんな表情を見せるのだろう。

基本データ

■所在地:タイ ペッチャブーン県カオコー

■Google マップ:https://maps.app.goo.gl/1xibabsZ19dY8Er57

■拝観時間:平日 8:00〜17:00、土日祝 6:00〜18:00

■入場料:無料

■建立:2004年(瞑想施設)、2010年に正式な寺院認定、2014年に5尊仏完成

■ドレスコード:肩・膝が隠れる服装(短パン・ノースリーブ・ミニスカート不可)

■注意点:仏像エリア・仏塔内は土足厳禁

■ベストシーズン:7〜9月(雲海)、11〜1月(涼しく過ごしやすい)

■周辺情報:お寺の裏手に絶景カフェ「Pino Latte」。5尊仏を背後から眺めながら山脈と雲海を一望できる(7:00〜19:00)。https://maps.app.goo.gl/XeVzET9SigsXCE7v5

【日帰りスケジュール例】
07:00 バンコク(ドンムアン空港)発
08:00 ピッサヌローク空港着、レンタカーピックアップ
10:00 お寺到着・参拝(約2時間)
12:30 近くのカフェでランチ
15:30 ピッサヌロークへ出発
17:15 空港到着、レンタカー返却
18:40 ピッサヌローク発
19:35 バンコク着

真っ白な仏像群。自然の中の異物感が際立つ。
ワット・プラタート・パーソーンケーオの5体の白い仏像。大小が前後に連なる配置。

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